母親の声が雨音に混じる。
「もう会わない方がお互いのためだと思う」
世界が止まった。
美都は動けない。
ただその言葉だけが何度も頭の中で繰り返される。
会わない方がいい。
お互いのため。
つまり必要ない。
そう聞こえた。
「お母さん……」
震える声が零れる。
でも母親は目を逸らした。
「ごめんね」
謝る声。
でもそこに温かさはなかった。
ただ終わらせたいみたいだった。
「私も今の生活があるの」
その言葉が胸に刺さる。
今の生活。
つまり自分のいない生活。
自分が必要ない生活。
「……」
何も言えない。
言葉が出ない。
胸だけが痛い。



