君だけが俺の居場所だった


昼休み踊り場に雨音が響く。

窓の外は真っ白だった。

翡翠は楽しそうに話している。

でも美都は半分しか聞いていない。

雨音が気になる。

落ち着かない。

呼吸が浅い。

翡翠は途中で話を止めた。

「神城くん」

「何」

「今日変」

図星だった。

「別に」

いつもの返事。

でも今日は説得力がなかった。

翡翠は少し眉を下げる。

「雨の日だから?」

その言葉に美都の肩が止まった。

翡翠は気付く。

やっぱりそうなんだ。

「神城くん」

優しい声だった。

「今日帰り一緒に帰ろ」

当たり前みたいに言う。

「……」

断れなかった。

断りたくなかった。