別れ際翡翠が手を振る。 「また明日ね!」 いつもの笑顔。 いつもの声。 でも雨音に紛れて。 美都は小さく呟いた。 「……明日もいるよな」 翡翠には聞こえない。 聞こえるはずもない。 でもその言葉には恋と依存と執着が全部混ざっていた。 翌朝目を覚ましたらまだ雨音が聞こえた。 窓を叩く音。 一定のリズム。 昔から嫌いだった音。 美都は布団の中で目を閉じる。 胸の奥が重い。 理由は分かっている。 雨だからだ。 ただそれだけ。 なのに身体が少しだけ怠かった。