夢を見た。 また同じ夢だった。 遠ざかる背中。 閉まるドア。 置いていかれる感覚。 父親。 母親。 そして。 翡翠。 「待て……」 夢の中で手を伸ばす。 届かない。 行くな。 置いていかないでくれ。 苦しい。 息ができない。 「翡翠……」 無意識だった。 初めて。 名前を呼んだ。