君だけが俺の居場所だった


週明け朝から空は曇っていた。

雨はまだ降っていない。

でも空気が重い。

湿っている。

美都は窓の外を見る。

胸の奥が少しざわついた。

理由は分かっている。

雨が近い。

それだけだった。

「おはよー!」

教室の扉が開く。

翡翠だった。

その声を聞いた瞬間少しだけ安心する。

自分でも呆れるくらいに。

昼休みいつもの踊り場で翡翠はパンを食べていた。

「神城くん」

「何」

「今週末空いてる?」

心臓が跳ねる。

なんで。

そんな普通の質問で。

「……たぶん」

「よかった」

翡翠が笑う。

「映画の続き見よ」

それだけだった。

本当にそれだけ。

なのに嬉しい。

そんな自分が嫌になる。