その時。 美都が振り返る。 目が合った。 しまった。 見ていたのがバレた。 翡翠は慌てて笑う。 「こんにちは」 美都は少しだけ眉をひそめた。 「……何」 「え?」 「また見てた」 図星だった。 翡翠は固まる。 「ご、ごめん」 「別に」 美都は立ち上がった。 そのまま階段を上がる。 すれ違う瞬間。 微かにシャンプーの香りがした。