君だけが俺の居場所だった


ガチャ。

玄関の音がした。

「ただいまー!」

翡翠だった。

緋色がにやにや笑う。

「おかえりー!」

そして美都の耳元で小さく囁く。

「認めたら?」

その瞬間美都は本気で殴りたくなった。

でも殴れなかった。

図星だったから。

買い物袋を持った翡翠がリビングへ入ってくる。

「何話してたの?」

楽しそうに聞く。

緋色は満面の笑み。

「内緒ー!」

翡翠は首を傾げる。

美都は視線を逸らした。

胸がうるさい。

認めたくない。

でももう分かっている。

美都は少しずつどうしようもなく翡翠に恋をしていた。