君だけが俺の居場所だった


「だって分かりやすいもん」

緋色が言う。

「どこが」

「全部」

即答。

腹が立つ。

「姉ちゃんいないと落ち着かないし」

「……」

「ずっと見てるし」

「見てない」

「見てる」

「見てない」

「見てる」

翡翠そっくりだった。

本当に姉弟だった。

「神城さん」

緋色が真面目な顔になる。

「姉ちゃんから聞いたけど他の男と話してると機嫌悪いらしいじゃん」

美都の肩が止まる。

図星だった。

「別に」

「別にじゃないって」

緋色は笑う。

「委員会の人と話してた時とか」

「……」

「めちゃくちゃ怖かったってよ」

完全にバレていた。

好き。

その言葉が頭に浮かぶ。

違う。

そんなはずない。

でも最近の自分を思い出す。

翡翠がいないと不安になる。

他の男と話してると嫌になる。

触れると心臓がうるさい。

笑うと嬉しい。

泣きそうだと苦しい。

そしていなくなるのはもっと嫌だ。

「……」

否定する言葉が出てこない。