翌朝教室で翡翠がいつも通り話しかけてくる。
「おはよう!」
いつも通り。
本当にいつも通りだった。
なのに美都だけがおかしい。
まともに顔が見れない。
「神城くん?」
「何」
「なんか変」
図星だった。
「別に」
翡翠は首を傾げる。
でも理由までは分からない。
昼休みの踊り場で今日は少し静かだった。
翡翠がジュースを飲んでいる。
その時男子生徒がやってきた。
「橘」
以前告白した委員会の男子だった。
美都の表情が固まる。
「この前のお礼」
男子がジュースを差し出す。
「委員会手伝ってくれたから」
翡翠が笑う。
「ありがとう」
それだけ。
本当にそれだけ。



