でも。
最近の神城くんを思い出す。
目が合う回数。
元気のない顔。
何か言いたそうな表情。
そして。
私がいない時だけ。
少し不安そうな顔をすること。
「……まさか」
小さく呟く。
でも。
胸の奥が妙にざわついた。
〈8ページ目〉
もし違ったら。
もし本当に苦しんでいたら。
私は。
気付いてあげられるだろうか。
神城くんが助けを求める前に。
その手を掴めるだろうか。
そんなことを考えながら。
翡翠は知らない。
今この瞬間も。
美都が一人の部屋で眠れずにいることを。
そして。
自分が思っている以上に。
神城美都の世界の中心になり始めていることも。



