美都は窓の外を見つめていた。 まるで雨以外何も見えていないみたいに。 周囲の声も。 教室の騒がしさも。 全部届いていないような横顔だった。 綺麗な顔だと思う。 整っていて。 無駄がなくて。 でも。 どこか冷たい。 誰も近付けない壁があるように見えた。 その時。 遠くで雷が鳴った。 ゴロゴロと低い音が響く。 次の瞬間。 翡翠は見てしまった。 美都の表情が一瞬だけ歪んだのを。 苦しそうに。 悲しそうに。 ほんの一瞬だけ。