正直。 最初に異変に気付いたのはずっと前だった。 でも。 最近は少しおかしい。 明らかに。 昼休み。 いつもの踊り場。 神城くんは窓の外を見ていた。 「神城くん」 呼ぶ。 「何」 返事はある。 でも。 どこか上の空だった。 「聞いてる?」 「聞いてる」 聞いていない。 絶対。 だってさっきから同じ話を二回している。 それなのに気付いていない。 そんな人じゃなかった。 神城くんは。 もっと周りをよく見ている人だった。 なのに。 最近は違う。