翌日美都は朝から機嫌が悪かった。
理由は分からない。
いや、本当は分かっていた。
昨日のことだ。
委員会の男子。
翡翠。
笑顔。
頭から離れない。
考えるな。
そう思うほど思い出してしまう。
「おはよー!」
教室に入ってきた翡翠を見る。
胸の奥が少し軽くなる。
そしてそんな自分にまた腹が立った。
昼休みいつもの踊り場で翡翠はパンを食べていた。
「神城くん」
「何」
「まだ怒ってる?」
美都の動きが止まる。
「怒ってない」
「怒ってるじゃん」
「怒ってない」
「怒ってる」
いつものやり取り。
でも翡翠は楽しそうだった。
「やきもち?」
「違う」
即答。
翡翠が笑う。
「はいはい」
その態度が余計腹立つ。



