夢を見た。 翡翠がいた。 いつもみたいに笑っている。 「神城くん」 優しい声で呼ぶ。 それだけで安心した。 なのに。 次の瞬間だった。 翡翠の隣に誰かがいる。 知らない男だった。 翡翠は笑う。 自分に向ける笑顔じゃない。 男に向ける笑顔だった。 「翡翠」 呼ぶ。 でも届かない。 翡翠は振り返らない。 そのまま遠ざかっていく。