『別に』
送信。
すぐに既読。
そして。
『嘘』
即答だった。
思わず眉を寄せる。
『なんで』
『雨の日の神城くん分かりやすいから』
その言葉に美都は固まった。
雨の日の神城くん。
翡翠は気付いていた。
自分が思うよりずっと前から。
『電話する?』
その一文を見た瞬間胸が熱くなる。
断ろうとした。
大丈夫だと言おうとした。
でも気付けば。
『する』
と返していた。
数秒後。
着信。
翡翠だった。
「もしもし?」
優しい声。
それだけで少し安心する。
「……起きてたのか」
『起きてたよ』
笑う声が聞こえる。
『神城くんが雨の日眠れない気がしたから』
心臓が大きく鳴った。
何だそれ。
そんなのずるいだろ。



