「家どこ?」 私が聞くと美都は黙る。 「送るから」 「いい」 「良くない」 「……」 「家どこ?」 しつこく聞かれて美都はゆっくり目を閉じた。 そしてぽつりと呟く。 「ない」 私は固まってしまった。 「え?」 「帰る場所ない」 言った瞬間美都自身も驚いた。 言うつもりなんてなかった。 誰にも話したことなんてなかったのに翡翠は何も言わない。 ただ静かに美都を見つめていた。