君だけが俺の居場所だった


夕方三人分作る癖で翡翠は少し多めに夕飯を作っていた。

テーブルに並ぶ料理。

向かいには翡翠。

緋色はいない。

静かだった。

でも嫌じゃない。

むしろ心地よかった。

翡翠が笑う。

話す。

その度に胸の奥が少し温かくなる。

食後ソファで映画を見る。

昨日の続きだった。

でも映画なんて頭に入らない。

気になるのは隣だった。

近い。

肩が触れそうな距離。

たまに笑う横顔。

その度に心臓が妙にうるさい。

「神城くん?」

「何」

「映画見てる?」

図星だった。

「見てる」

「嘘だ」

即答だった。