帰り道。 外は雨だった。 翡翠は傘を差しながら歩く。 今日見た美都を思い出す。 優秀で。 頼られていて。 みんなから尊敬されていて。 確かに完璧だった。 だけど。 壁に手をついた瞬間の顔だけは違った。 あれは。 完璧な人の顔じゃない。 どこか壊れそうな顔だった。 「気のせい……じゃないよね」 雨音の中で呟く。 神城美都。 その人のことが少しだけ気になり始めていた。