その夜翡翠はソファへ座ったままだった。
美都も隣に座る。
何も話さない。
でも離れない。
しばらくして美都の頭がゆっくり傾く。
翡翠の肩に触れる。
本人はもう気付いていない。
限界だった。
寝不足。
不安。
全部抱え込み過ぎていた。
翡翠は小さく息を吐く。
そして眠ってしまった美都の頭をそっと支えた。
気付いた時には朝だった。
美都はゆっくり目を開く。
見慣れない天井。
柔らかい光。
そして肩に感じる温もり。
「……」
数秒思考が止まる。
やがて昨夜のことを思い出した。
一人にしないでと自分が言った言葉。
翡翠の肩にもたれたこと。
全部思い出した瞬間美都は顔を覆いたくなった。



