「緋色!」 翡翠が慌てる。 「いきなり何言ってるの!」 「だって泊まった方が楽しいじゃん」 緋色は悪びれない。 美都は無言だった。 帰る。 そのつもりだった。 でも。 昨日の家を思い出す。 静かな部屋。 誰もいないリビング。 雨音。 胸が少しだけ重くなった。 「神城くん?」 翡翠が心配そうに覗き込む。 美都は視線を逸らした。