その瞬間だった。 美都は気付く。 自分も少し笑っていたことに。 本当に少しだけ。 でも確かに。 そして。 そのことに自分が一番驚いた。 こんな風に笑ったのはいつ以来だろう。 思い出せない。 ただ一つだけ分かる。 昨日。 あの公園で一人のままだったら。 きっと今も笑えていなかった。 その理由を考えた時。 頭に浮かんだのは。 橘翡翠だった。