君だけが俺の居場所だった


二人とも固まった。

緋色がいない。

つまり今日は二人きり。

「……」

「……」

気まずい。

いや正確には翡翠だけが気まずかった。

美都はそれどころじゃない。

翡翠がいる。

それだけで少し安心している自分がいた。

「と、とりあえず」

翡翠が慌てて立ち上がる。

「ご飯作るね」

逃げるようにキッチンへ向かう。

美都はソファに座った。

ぼんやりと眺める。

キッチンに立つ翡翠。

野菜を切る音。

鍋の音。

生活音だった。

なのに胸が少し温かくなる。

家なのに苦しくない。

それが不思議だった。