「違う」 即答だった。 「ふーん」 緋色は納得していない声だった。 「神城さん」 「何」 「姉ちゃんね」 少しだけ優しい声になる。 「神城さんのこと結構心配してるよ」 美都は黙る。 返事ができなかった。 雨音が聞こえる。 静かな夜だった。 なのに。 胸の奥だけが妙に騒がしい。 そして。 隣から聞こえる寝息。 久しぶりだった。 誰かのいる家で眠るのは。 目を閉じる。 不思議なくらい安心した。