どれくらい経っただろう。
雨は少し弱くなっていた。
でもまだ翡翠の制服を掴んでいた。
離せなかった。
離した瞬間また一人になる気がした。
翡翠は何も言わない。
急かさない。
ただずっとそばにいた。
「……ごめん」
やっと出た言葉だった。
掠れた声。
弱々しい声。
今までなら絶対に言わなかった。
「謝らなくていいよ」
翡翠は優しく答える。
美都は俯く。
最悪だった。
泣いた。
しがみついた。
弱いところを全部見られた。
もう顔も見れないそう思ったのに翡翠は何も変わらなかった。
嫌そうな顔もしない。
困った顔もしない。
ただ心配そうだった。
それが余計につらい。



