君だけが俺の居場所だった


数分後。

また声がする。

「神城さん」

「何」

「姉ちゃん優しいでしょ」

美都は少し黙った。

頭の中に浮かぶ。

傘を差し出した翡翠。

お粥を作った翡翠。

帰らないでいてくれた翡翠。

迎えに来てくれた翡翠。

「……まぁ」

小さく答える。

緋色は満足そうだった。

「でしょ」

どこか誇らしげだった。