君だけが俺の居場所だった


ぽつり。

ぽつり。

やがて雨は強くなる。

雨音。

閉まるドア。

遠ざかる背中。

父親。

母親。

翡翠。

全部が重なる。

「っ……」

呼吸が浅くなる。

苦しくなってうまく息を吸えない。

視界が滲む。

過呼吸だった。

手が震えて身体も震える。

もう何が現実なのか分からなかった。

「神城くん!!」

声が聞こえて顔を上げると雨の向こうに翡翠がいた。

必死な顔で走ってくる。

その姿を見た瞬間張り詰めていた何かが切れた。

「ひす……い」

掠れた声だった。

美都の身体が動く。

自分でも止められなかった。