「神城先輩ってすごいですよね」 後輩の一人が言う。 「全然怒らないし」 「何でもできるし」 「憧れます」 翡翠は少し驚いた。 美都は近寄り難い人だと思っていた。 でも。 後輩達の目は尊敬でいっぱいだった。 その時だった。 重そうな段ボールを持った女子生徒がよろける。 「あっ」 次の瞬間。 美都が動いた。 黙って段ボールを受け取る。 「危ないだろ」 それだけ言って持ち上げる。 女子生徒は真っ赤になった。 美都は気付いていない。 そのまま歩いて行く。