長い沈黙のあとやっと声が出た。 「……声」 掠れた声。 『え?』 「声聞きたかった」 言った瞬間美都は固まった。 自分で何を言ったのか理解した。 終わった。 本当に終わった。 でも電話の向こうから聞こえたのは笑う声じゃなかった。 『そっか』 優しい声だった。 『じゃあ少し話そっか』 その言葉を聞いてから美都は目を閉じる。 泣きたいわけじゃない。 でも胸の奥がどうしようもなく苦しかった。 そして少しだけ救われた。