「帰ろ」 もう一度言われる。 優しい声だった。 無理やり引っ張らない。 急かさない。 ただ待っている。 その姿を見た瞬間。 美都の中で何かが切れた。 もう一人でいたくなかった。 今日は。 本当に。 「……少しだけ」 小さく呟く。 翡翠の表情がぱっと明るくなる。 「うん」 その笑顔を見て。 少しだけ安心した。