君だけが俺の居場所だった


翡翠は手を差し出した。

雨に濡れた手だった。

美都は見つめる。

行くべきじゃない。

迷惑だ。

断るべきだ。

頭では分かっている。

なのに。

身体が動かなかった。

「……子供じゃない」

やっと出た言葉はそれだった。

翡翠が少し笑う。

「知ってる」

「一人でも平気だ」

「嘘」

即答だった。

美都は言い返せない。