君だけが俺の居場所だった


「神城くん」

静かな声。

「何」

「私はいなくならないよ」

その瞬間呼吸が止まった。

心臓が痛いほど鳴る。

翡翠は続ける。

「だから少し寝よう?」

優しい声だった。

何の保証もない言葉。

未来なんて誰にも分からない。

それなのに信じたくなってしまう。

「……嘘だ」

美都が呟く。

翡翠が目を丸くする。

「え?」

「みんなそう言う」

声が震えていた。

「いなくならないって言って」

「神城くん……」

「結局いなくなる」

父親も母親もそうだった。

だから信じたくない。

信じたらまた壊れる。