昼休み。 いつもの階段の踊り場。 翡翠はジュースを飲みながら窓の外を見ていた。 「明日雨だって」 何気ない一言だった。 けれど。 美都の動きが止まる。 ほんの一瞬。 本当に一瞬だけ。 「ふーん」 興味なさそうに返す。 でも。 指先が少しだけ強く握られていた。 翡翠は気付かない。 美都自身も気付いていなかった。 ただ胸の奥が少しざわついた。 雨。 その言葉だけで。