放課後。
美都と翡翠は並んで歩いていた。
空は曇り。
雨は降っていない。
最近はこうして一緒に帰ることも増えた。
会話は多くない。
でも不思議と気まずくなかった。
「神城くん」
「何」
「今日ちゃんとお昼食べた?」
「食べた」
「本当?」
「本当」
翡翠は少し疑わしそうな顔をした。
信用がなかった。
住宅街へ入った時だった。
向こうから走ってくる人影が見えた。
「姉ちゃーん!」
聞き慣れた声。
緋色だった。
翡翠の表情がぱっと変わる。
「緋色!」
駆け寄る。
「大丈夫だった!?」
「大丈夫だって!」
「苦しくない!?」
「苦しくない!」
「吸入した!?」
「した!」
質問攻めだった。
美都は少し離れた場所で見ていた。



