帰り道。 雨が降っていた。 翡翠は傘を差しながら考える。 神城美都は完璧だ。 みんなそう言う。 先生も生徒も。 誰も疑わない。 でも。 本当にそうだろうか。 昨日の顔。 保健室。 先生との会話。 全部が少しずつ引っかかる。 「気のせいかな……」 呟く。 だけど。 気のせいには思えなかった。 雨音の向こうで。 神城美都という人の本当の姿が少しだけ見えた気がした。