君だけが俺の居場所だった


翡翠は踊り場を出て行った。

静かになる。

美都は窓の外を見る。

数分後。

翡翠が戻ってきた。

ほっとした顔をしている。

「大丈夫だった?」

「うん」

翡翠は笑った。

「もう落ち着いたって」

その笑顔を見て。

美都も少しだけ肩の力を抜いた。

自分でも気付かないくらい自然に。

「仲良いんだな」

ぽつりと呟く。

翡翠は少し驚いた。

「緋色と?」

「ああ」

「大事だからね」

迷いなく答える。

その声は優しかった。

美都は少し黙る。

自分にはそんな存在はいなかった。

だから。

少しだけ眩しく見えた。