「神城くん」 優しい声だった。 「何かあった?」 美都は答えられない。 言えるわけがない。 お前がいなくなる夢を見る。 毎日怖くて眠れない。 そんなこと言えるわけがない。 「……何もない」 やっと絞り出す。 翡翠は少し悲しそうな顔をした。 「そっか」 それだけだった。 でもその表情を見たら胸はさらに苦しくなる。 気付いてほしい。 でも気付かないでほしい。 助けてほしい。 でも知られたくない。 壊れ始めた心はもう自分でも制御できなくなっていた。