君だけが俺の居場所だった


生徒会の仕事中。

珍しくミスをした。

後輩が目を丸くする。

「先輩大丈夫ですか?」

「大丈夫だ」

でも。

大丈夫じゃなかった。

なぜかさっきの光景が頭に残っている。

別に付き合っているわけじゃない。

翡翠が誰と話そうが自由だ。

そんなこと分かっている。

なのに。

気になる。

帰り道。

校門を出る。

すると。

「神城くん!」

後ろから声がした。

翡翠だった。

一人だった。

それだけなのに。

少しだけ安心する自分がいる。

「今帰り?」

「ああ」

「私も」

翡翠は隣へ並んだ。

いつもの距離。

いつもの笑顔。

胸の奥のもやもやが少しだけ消えていく。