二人で歩き始める。
しばらく沈黙が続いた。
その後。
美都がぽつりと聞く。
「さっきのやつ」
翡翠が首を傾げる。
「ん?」
「昼話してたやつ」
「ああ」
翡翠は納得した。
「委員会一緒の子」
「そうか」
それだけ。
それだけだった。
でも。
なぜか胸の奥のもやもやが少し消えた。
「神城くん?」
「何」
「もしかして気になってた?」
翡翠がにやっと笑う。
美都は無表情のまま答えた。
「別に」
いつもの言葉。
なのに。
今日は少しだけ説得力がなかった。
翡翠は笑う。
美都は視線を逸らす。
そして初めて。
自分の知らない翡翠を見るのが。
少しだけ面白くないと思った。



