翡翠は目をぱちぱちさせる。
それから。
にやっと笑った。
「待ってた?」
「違う」
「今待ってたって言った」
「言ってない」
「言った」
面倒だった。
本当に。
なのに。
翡翠が笑っていると少し安心する。
昨日感じていた妙な落ち着かなさもない。
そのことに気付いてしまう。
「緋色ね」
翡翠が話し始める。
「夜には落ち着いたよ」
美都は黙って聞く。
「病院行って吸入して」
「……」
「今日は学校行った」
「そうか」
それだけだった。
でも。
翡翠は嬉しそうだった。
たぶん。
心配してくれたことが嬉しいのだろう。
「神城くん優しいね」
ぽつりと言われた。



