もし付き合ったらとふと考えてしまう。
昼休み踊り場には来ないかもしれない。
帰り道隣を歩くのは自分じゃないかもしれない。
LINEも休日も笑顔も全部。
あいつのものになる。
その想像をした瞬間。
ぞっとした。
息が苦しい。
嫌だ。
そんな感情が浮かぶ。
理由なんて分からなかった。
「ごめんなさい」
翡翠の声だった。
美都の肩が揺れる。
「私、好きな人とかまだいないし」
翡翠は申し訳なさそうに笑った。
「でも今は誰とも付き合うつもりないの」
優しい断り方だった。
男子は少し悲しそうに笑う。
「そっか」
それだけ言って去っていった。
告白は終わった。
断られた。
なのに胸はまだ苦しかった。



