君だけが俺の居場所だった


昼休みいつもの踊り場で翡翠が隣へ座る。

「なんか久しぶりだね」

そう言って笑った。

美都は眉をひそめる。

「二日だぞ」

「でも久しぶり」

翡翠は楽しそうだった。

少し沈黙が流れる。

その後美都がぽつりと言う。

「緋色は」

翡翠が目を丸くした。

「元気だよ」

「そうか」

それだけだった。

でも翡翠はなぜか嬉しそうだった。

「神城くん」

「何」

「緋色ね」

翡翠が笑う。

「神城さんまた来るかなって言ってた」

美都は黙る。

「また泊まりに来てって」

「行かない」

即答だった。

翡翠は吹き出す。

「絶対行くじゃん」

「行かない」

「行く」

「行かない」

いつものやり取りだった。

でも二人とも少し笑っていた。