「弟は」 翡翠は目を丸くした。 「え?」 「大丈夫なのか」 教室が静かになる。 近くにいた友達まで固まっていた。 美都は気付いていない。 ただ普通に聞いただけだった。 翡翠は数秒瞬きをしたあと。 ふっと笑った。 「うん」 その笑顔はいつもより柔らかかった。 「大丈夫」 美都は小さく息を吐く。 「そうか」 それだけ言って自分の席へ戻ろうとする。