翌朝。 教室へ入る。 無意識に視線が動く。 そして。 窓際の席に翡翠を見つけた。 友達と話している。 元気そうだった。 その瞬間。 胸の奥にあった重たいものが消える。 「神城くん!」 翡翠が気付いて手を振る。 美都は一瞬だけ黙った。 それから。 自分でも驚くくらい自然に歩み寄る。 「弟は」 翡翠が目を丸くした。 「え?」 「大丈夫なのか」 教室が静かになる。 周りの友達まで固まった。 そして翡翠は。 少しだけ嬉しそうに笑った。