家の前に着くと翡翠が立ち止まる。
「じゃあね」
いつもの言葉。
なのに今日は少し違って聞こえた。
美都は家を見る。
静かな家。
誰もいない家。
それから翡翠を見る。
「……」
何か言いたかった。
でも言えなかった。
すると翡翠が笑う。
「また月曜日ね」
その言葉に小さく頷いた。
そして初めて思う。
月曜日がこんなに待ち遠しいのは初めてだと。
月曜日、美都はいつもより早く目が覚めた。
時計を見るとまだ学校へ行くには早い時間だった。
二度寝もできる。
でもなぜか眠れなかった。
結局起き上がって制服に着替える。
朝食を適当に済ませる。
そして気付く。
いつもより準備が早い。
「……」
理由なんて分かっていた。
考えたくなかっただけで。



