六月。
梅雨入りした空は今日もどんよりと曇っていた。
朝から降り続く雨が窓を叩いている。
「また雨かぁ……」
橘翡翠は小さくため息を吐いた。
雨が嫌いなわけではない。
けれど濡れるのは好きじゃない。
帰る頃には止んでくれないかな。
そんなことを考えながら窓の外を見る。
その時だった。
廊下の向こう。
窓際に立つ男子生徒が目に入る。
神城美都。
二年生になってから何度も名前を聞いたことがある。
生徒会長。
学年一位。
先生達からの信頼も厚い。
誰もが認める優等生。
翡翠とは同じクラスだけれど、話したことはほとんどなかった。
ただ。
なぜかその姿が気になった。



