【キミの声をきかせて】~声を失った少女は、四人の王子に溺愛される~


春琉くんは響也くんの分のお弁当を受け取ると、私の顔をジーッと見てくる。



え…なにかついてるかな?なんだろう?



あまりにも見てくる春琉くんのその視線にあたふたしながら気恥ずかしくなってきてだんだんと俯くと



春琉くんの大きな手が私の顎を捉えるとグイッと私の顔を持ち上げた。



……へっ?



その瞬間綺麗な春琉くんの顔が私の視界いっぱいに広がる。
そして、サラサラの黒髪の隙間からは私を捉える綺麗な瞳。



その綺麗な顔は真剣な顔をしていて


「…お前、目の下どうした?」


そう言ってきた。



私は春琉くんのあまりにも綺麗な顔に少しだけ赤くなる顔を慌てて隠すと
ホワイトボードにペンを走らせて春琉くんに見せる。



【なんでもないですよ】

「…ふーん」



それだけ言うと、あまり納得して無さそうな顔をしてたけど春琉くんはそれ以上は何も聞いてこなかった。



そして、お弁当をバックにしまうと


「まっ、渡しとくから心配すんな」


春琉くんは心配そうな私の頭をポンッと優しく撫でるとそのまま玄関に向かっていった。



余計な事とか何も言わないけど、安心させるように頭を撫でる春琉くんのその優しさに胸の中が温かくなった。