おいしそうに食べる後輩が、ずるい〜年下くんの一途な溺愛〜


私たちは並んで歩き出した。恵比寿は夜でも人が多くて、自然と距離が縮まった。

「水野さん。今日、あんまり食べてなかったですよね」

「企画書のことが頭にあって」

「それだけですか」

「え?」

「なんで俺が毎回あなたをランチに誘うのか、あのときの本当の理由、聞きたくないですか」

心臓が跳ねた。あの日の『今のところは』という言葉が、ずっとうまく飲み込めないままでいた。

「聞いていいの?」

「むしろ、聞いてほしかったので」

橋本くんが立ち止まった。大通りから少し外れた、街灯の下だった。私も足を止めて、彼を見上げた。

飲み会のあとの緩んだ表情のまま、目だけは、いつになく真剣だった。

「橋本くんは、どうしていつも私を誘うの?」