婚約が嫌で男装執事になったのに~配属先が婚約者の元でした~【完】



アルがリオにそう伝えると、リオは俺の顔を見る余裕もない様子で顔を真っ赤にさせたまま


「は、はいっ!失礼いたしますっっ!!」


と逃げるように部屋を飛び出していった。



───バタンッ

と重い扉が閉まる。



その音を聞いたアルは、あからさまに呆れ果てた顔をして、俺の座るベッドの上にドサリと座り直し、俺を冷ややかな目で見つめてきた。



「……なぁギル。いくらリリィ嬢が見つからなくて焦っているからって、流石に血迷いすぎじゃないかい?相手は男のガキだよ。一体何をしているんだ……」



あと少しで……正体がわかるかもしれなかったのに……こいつ……。

わざと邪魔しに来たな……。



「…ちっ…うるさい。お前には関係ない」

「はいはい……邪魔して悪かったよ」



そう言ってまったく悪びれてないアルは、ヒラリと手を挙げると颯爽と去っていった。


あいつも何を考えているかわかんない男だ。


はぁ……あと少しだったのに……クソッ。



俺は誰もいなくなったベッドにドサリと倒れると腕を顔に乗せ、一人小さくため息を吐いたのだった。