婚約が嫌で男装執事になったのに~配属先が婚約者の元でした~【完】



この感じ……ギル様って、お仕事から今帰ってきたばかりよね?
もしかして……疲れて私に八つ当たりをしてるんじゃ!?



私の頭の中に、前世のモラハラ男のことがよぎる。



たしか……そうあの人も仕事でイライラして帰ってきた時は、いつも不機嫌に当たってきたはず。


まずい……このままじゃ非常にまずいっ!



こんなに不機嫌なギル様を野放しにすれば、屋敷のみんなにモラハラアタックで、八つ当たりをしかねないっ!



そして、私は拳をきゅっと握る。


前世の私のようになってほしくない……専属執事としてみんなを守るのよっ!!!



正義感がメラメラと沸き起こってきた私は、意を決してギル様を見据える。



「ギル様っ、疲れた時にはマッサージが一番いいですよっ!専属執事の僕にお任せください!」


「……は?何を言って……」


「いいから、いいからっ!ほらほらベッドへどうぞ!」



私は驚いて固まるギル様の背中を、ベッドに向かって全力で強引に押し込んでいく。



殺られる前に殺るって言葉があるでしょ?それと一緒で、文句を言われる前にやってやれ!!ってことだよね?!



「は?!…おいっ!リオ?!」



焦るギル様を無視して、文句なんて受け付けません!と、無理やりベッドの上にうつ伏せに寝かせると、私はその上にえいっと跨った。



ふぅ……ここまでくれば成敗したも当然よっ!!