婚約が嫌で男装執事になったのに~配属先が婚約者の元でした~【完】

ギル様はアル様とレオ様に視線を配ると


「こいつを少し借りるぞ」


とだけ告げ、私の手首を大きな手でグイッと掴んだ。


そのままぐいぐい引っ張られ、連れてこられたのは執務室のすぐ横にあるギル様の私室だった。


なっ…なになになに?!私なんかした?!


そしてガチャリと扉が閉まる。


そして私に振り返ると綺麗な青い瞳で私をじっと見つめる。


「あのレオが短時間でここまで懐くとは……一体何をした?リオ」


ギル様は私を部屋の壁際までジリジリと追い詰める。


そして…冷たい瞳で見下ろしてきた。


突然のふたりきりの空間で追い詰められた私は、心臓がバクバクと激しく音を鳴らす。


「な、何もしてないですよっ!ちょ…ちょこっと、そ、その…お外の空気が綺麗だねってお話ししただけです!」



レオ様とサボったのがバレたらまずい!!と、必死に言い訳をする私の手首を、ギル様は強く握りしめた。