婚約が嫌で男装執事になったのに~配属先が婚約者の元でした~【完】

レオside


俺の目の前には、兄上の婚約者であるリリィ嬢がいる。


噂では色々と聞いていたけれど、本当にはちゃめちゃな変な女だった。



だけど、その綺麗な淡いピンクの髪の毛と、空色の瞳で笑う姿は

誰がどう見ても悔しいけれど……可愛いかった……。

リオの癖に……。



「……とりあえず、カツラ被れよ」


俺がぶっきらぼうにそう伝えると、彼女はハッとして自分の頭を触った。


「えへへっ、忘れるところだったー!」


そう言って、茶色のカツラの中にピンクの長い髪を押し込んでいく。



元のリオの姿に戻った彼女は、何を思いついたのか、くりくりの瞳をさらにキラキラと輝かせた。


「そうだ!レオ様っ!せっかくですから、見つかる前に思いっきり遊びましょうよ!」

「はぁっ!?お前、何言って……」


俺が最後まで言葉を言いかける前に、リオに戻ったリリィが俺の手をギュッと力強く掴んだ。