お、終わった……そんな気がする……。
すらりとした高い身長のギル様が私の目の前まで近づいてくる。
久しぶりに嗅ぐギル様のいい匂いが私の鼻をくすぐる。
む、むりっ……こ、これ以上は近寄ってこないでぇええぇえ!!
そんな私の願いは虚しく、ギル様は私のすぐ目の前で立ち止まる。
そして、綺麗な指先が私の顎をくいっと持ち上げた。
ドキドキ……ドキ……
上を向かされた視線の先で、ギル様とぱちっと目が合う。
とても美しくて意地悪な笑み。
「あいつは今、家を飛び出してどこかで修行をしているらしい。
……なぁリオ。お前は何か知らないか?」
耳元で囁かれるのは、低く色気のある声。
意地悪く私の反応を楽しんでいるその姿に、私の心臓はバクバクと激しく音を立てる。
もう、私の心臓は目の前のかっこよすぎるギル様に音をならしているのか……バレそうで恐ろしくて音をならしているのか、どっちか分からない。
だけれど、そんな私に前世の私が警笛を鳴らす。
この男は危険よ!モラハラ臭がするわ!!と



